平成30年度入行式挨拶

 新入行員の皆さん、ご入行おめでとうございます。今年も65名の新しい仲間を当行の一員として迎えられたことは大きな喜びであり、心から皆さんを歓迎します。

 本日は皆さんにとって社会人としての記念すべき第1歩です。皆さんそれぞれに、夢や目標を持って今日の日を迎え、これからの社会人生活に期待を膨らませていることでしょう。是非、今日のその想いを忘れずに大切にしてください。
 皆さんが入行した平成30年は平昌オリンピック、パラリンピックで幕を開けました。今大会では、フィギュアスケートでの羽生結弦選手のオリンピック2連覇や、女子スケート勢の活躍、更には女子カーリングチームの躍進等、日本選手の活躍に私たちは勇気づけられました。
 また今年は明治維新から150年を迎え、「肥前さが幕末維新博覧会」が開催されています。薩長土肥の一角である佐賀藩は当時、国内最先端の科学技術を有する日本近代化のトップランナーとして、国内でも注目を集める設備を保有し、また多くの傑出した人々を輩出しています。
 この維新博について当行は、地域の皆様と一体となって盛り上げていく応援企業として、「サポーター宣言」をしていますので、皆さんも是非協力してください。そしてこの機会に佐賀の歴史を振返ってみれば、これからの時代を切り拓くヒントが見えてくるかもしれません。

 一方、当行にとって平成30年度は第15次中期経営計画の締めくくりとなる年です。銀行を取り巻く環境は日々変化してきており、その変化に合わせてビジネスモデルの変革や新しいサービスへの取組みを進めていかなければなりません。
 例えば、AIやブロックチェーンを活用したフィンテックといわれる新たな技術の進展により銀行業務が様変わりしていくともいわれています。勿論そのような流れにも的確に対応していく必要がありますが、一方で、私たちは如何に環境が変わろうとも、地域の金融機関として、佐賀、長崎、福岡の経営者の方々の夢や想い、個人のお客さまひとりひとりの気持ちに寄り添い、応えるという、人にしかできない部分を磨いていくことも必要です。
 また、今までにない発想、かつ未来志向で果敢にチャレンジし続け、地方創生に全力をあげて取組んでいくことが、当行をさらに魅力ある銀行へと成長させる。そこに私たち地方銀行の存在価値があるといえます。

 そこで、このような地方銀行としての真価が問われていく時代に入行された皆さんに、お願いしたいことが3つあります。

 1つ目は、『柔軟な発想をもってチャレンジして欲しい』ということです。
 これからの時代は環境の変化に応じて、現状を変えていく柔軟な対応力が求められます。先に述べたように、金融機関を取り巻く経営環境は大きく変化し、そのスピードはますます加速していくでしょう。しかし、「変化」を恐れるのではなく「チャンス」と捉え、果敢にチャレンジし、「変化」を「進化」へと昇華させて欲しいと思います。

 2つ目は、『自己成長のための努力を惜しまず、継続できる人材になってほしい』ということです。
 当行のお取引先には、さまざまな業種の法人のお客さまや、さまざまな価値観をもった個人のお客さまがいらっしゃいます。このようなお客さまの多種多様なニーズや価値観に応え、質の高いサービスをご提供するためには、皆さん1人ひとりが自己成長のための努力を惜しまず、継続することが必要です。銀行業務に関する知識やスキルの向上はもちろんのこと、様々な分野の勉強や経験を通じて、人間的にも成長し、お客さまの期待を超えられるサービスを提供できる人材、お客さまから信頼される人材へと成長して欲しいと思います。

 3つ目は、『出会う人との縁を大切にし、人と人との関係性を尊重して欲しい』ということです。
 銀行の仕事は1人では実現できません。これから仕事を通じ、皆さんは上司、先輩、そして今ここにいる同期や、お客さまを含めてあらゆる人たちと関わり合い、その全てがこれから失敗や、壁にぶつかった時に支えてくれる人たちでもあります。多くの人たちと出会い、その関係を大切にすることで、人間的な成長に繋げて欲しいと思います。引いてはそれが組織の力となり、また皆さんの人生において大切な財産になると確信します。

 最後になりますが、今、金融機関はまさに維新の時を迎えています。明治維新の1つの形として、薩長土肥を中心とする地方から時代を切り拓いた改革があり、平成の時代から新たな時代へ移り変わる中で、当行も次の新しい時代を見据え、地方創生の中心的役割を担う銀行へと発展していきます。
 これから皆さんも、自由な発想と若さを最大の武器として、何事にも恐れることなくチャレンジしてください。そして、仕事を通じて、お客さまの暮らしやお取引先企業の成長に貢献し、私たちの地域をますます魅力あるものにしていくために、佐賀銀行の一員として、ともに未来に向かって進んでいきましょう。

 皆さんの今後の活躍を期待しまして、私の挨拶といたします。


以上