令和2年年頭のあいさつ

令和2年の年頭にあたって

 あけましておめでとうございます。年の始めにあたり、皆さんと共にお客さまの繁栄を祈念したいと思います。また、ご家族の方々も含め、皆さんにとっても飛躍の1年となるようお祈りいたします。

 始めに、昨年8月の豪雨により、佐賀県は甚大な水害を被り、皆さん、皆さんのご家族、そしてお取引先の方々の中で多数の方が被害に遭われたことと思います。改めてお見舞いの言葉を申し上げます。また、ボランティア等により被災地の復旧に力を貸していただいた方には、感謝の気持ちを送りたいと思います。

 昨年は、「ONE TEAM」の合言葉の下で結束力を固めたラグビー日本代表の大活躍に日本中が感動を覚え、選手たちの知名度だけではなく、ラグビーというスポーツ自体の人気を押し上げました。この情熱が、今年のオリンピック・パラリンピックにつながればと期待します。
 これはビジネスの世界でも似たものがあると思います。一致協力して取組んだ仕事やサービスがお客さまの期待を超えると、CSとESが向上し、その結果当行のブランド力を押し上げます。

 さて、昨今の金融環境は依然としてマイナス金利が継続する中で、日韓関係、米中関係など、世界的に不透明感を抱えたままになっています。
 当行は、昨年スタートした第16次中期経営計画の中で、コンサルティングを起点とする全員での営業態勢により対顧客利益を黒字化するという最重要の目標を掲げており、皆さんの絶え間ない努力により着実に改善しています。
 対顧客利益の黒字化に対しては、「市場金利」や、「他行競合」など環境任せの考え方では到底なし得ないものと強く認識する必要があります。お客さまの期待に応える営業活動を行って、その正当な対価として得るものが銀行の収益です。
 第16次中期経営計画の中間年度を迎える今年は、対顧客利益が黒字に転じる年にしたいと思います。そのためには皆さん1人ひとりの能力、当行グループの組織力を高めていく必要があり、次の3つの点について理解を深めて取組んで欲しいと思います。

 1つ目は、今年4月に新設するブロック制についてです。
 ブロック制では、各ブロックに専門知識やスキルを身に付けた人員を配備して、営業店と本部による伴走型の営業態勢を築きます。地域の営業情報を共有・蓄積し、当行グループの営業資源を最大限に活用して、多様化する環境に対応して収益を確保する営業態勢を目指します。
 冒頭に述べた、ラグビー日本代表の合言葉「ONE TEAM」の精神の如く、営業店毎の独立性の高さからくる組織上の弱点を克服し、熱意のある結束力を持って地域経済に活力を提供するオール佐銀の営業組織を構築します。

 2つ目は、生産性の向上に対して愚直に取組み続けてもらいたいということです。
 現在、営業店業務BPRとして新たな施策を立案するために、営業店の皆さんにも調査やヒアリング等に協力してもらい、本部も現場目線での施策を検討しています。それぞれの施策は小さいものもあるかも知れませんが、それらの積み重ねによって大きな効果を生み出そうとしています。
 一方で、現在、皆さんの身の回りでもキャッシュレス、フィンテックなどの単語をよく耳にすると思います。これらの分野は、いつ大波が襲ってくるかというくらい変革のスピードが速い分野です。どのようなサービスに貴重な経営資源を投じていくのか、併せて、店舗ネットワークの将来像についても常に考え、必要な手を打っていきます。

 3つ目は、地域経済が持続的に発展するために当行が果たすべき役割についてです。
 当行が地域の中で存在感を高め、お客さまから選んでいただける銀行であるためには、私たちがお客さまや地域経済にとって価値のある施策や提言を実らせ、それを当行グループのビジネスチャンスとしなければなりません。
 現在、若手行員を中心にして様々なプロジェクトを展開しています。みなさんの周りにもメンバーが居られるのではないでしょうか。
 例えば、「新時代プロジェクト」では、人財不足、事業承継、事業性評価をテーマとしています。これら喫緊の課題を若者の意見を取り入れて検討したいというのもありますが、本来の目的は、全行員の問題として共有し、真剣に考える場を提供することにあります。
 また、地域に根ざしたプロジェクトとして、窯業、農漁業、家具など、営業店を主体に様々なチームが活動しています。
 これらは全て、地域の産業、風土や歴史的価値などを包括的に理解して、地域に寄与できるアイデアを懸命に考える場です。メンバーはそこで地域金融機関としての存在意義を実感し、ひいてはビジネスチャンスを見出すでしょう。
 まだまだ、私たちが基盤とする地域には様々なポテンシャルが潜み、当行にとっても大きなビジネスチャンスがあります。現プロジェクトメンバーに限らず皆さん1人ひとりが考え、知恵を出し合っていくことを期待します。

 最後に、コンプライアンスについてです。法令、規程等の遵守は最低限必要なものであり、社会常識や倫理観を含め、1人ひとりが社会人としてのルールを遵守しなければなりません。
 事務の遂行についても同じです。忙しさや慣れから生じる気の緩みは、いずれ当行の信用を失墜させる事故を引き起こしかねません。どんなことにも気を引き締めて取組んでください。
 これらは当行グループが企業活動を堅持していくための基本中の基本で、当行存続を左右する重要なものです。

 さあ、新しい年のスタートです。
 新たな時代に向け、何事にも主体的にチャレンジし、皆さんの結束によって当行グループのブランド力を飛躍させる1年にしていきましょう。


以上