経営環境と当行の業績

金融経済環境

2022年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済社会活動の制限が緩和される中、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられましたが、ウクライナ情勢の長期化による原材料価格の高騰や、米国の政策金利引き上げの影響等により、先行き不透明な状況が続いております。
当行の主要営業基盤である北部九州の経済につきましては、生産活動において一部供給面での制約等の影響がみられるものの、コロナ禍における各種政策の効果もあり、個人消費や雇用情勢が回復に向かう等、景気の持ち直しが続いております。
金融業界につきましては、日本銀行による事実上利上げと見られる長期金利の許容変動幅引き上げの動きがありましたが、企業向け貸出や個人ローンマーケットにおいて、金利はなお低水準で推移しております。今後の日米欧の金融政策の動向や、ウクライナ情勢等が与える影響について充分注視する必要があります。

2022年度の業績等

 このような経済情勢の中で、グループ役職員一同総力をあげて業績の一層の進展と経営の効率化に努めて参りました。
当事業年度の業績は次のとおりです。

預金、貸出金等

2023年3月末の財政状態につきましては、預金残高が前期末比89億円減少し2兆7,835億円、貸出金残高が前期末比345億円増加し2兆1,890億円、有価証券残高が前期末比340億円増加し7,045億円となりました。
なお、自己資本比率(国内基準)は、前期末比0.33ポイント減少し7.68%となりました。
不良債権(金融再生法開示債権)比率は、2022年3月末の2.04%が2023年3月末には2.05%となりました。

預金残高・貸出金残高

損益状況

経常収益は、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加を主因として資金運用収益が26億4百万円増加したことや、役務取引等収益が3億32百万円増加したこと、また、有価証券のポートフォリオ再構築に伴う株式等売却益の増加によりその他経常収益が10億30百万円増加したこと等から、前期比37億63百万円増加し397億84百万円となりました。
経常費用につきましては、営業経費が4億99百万円減少したことや、貸倒引当金繰入額の減少を主因としてその他経常費用が19億93百万円減少したものの、資金調達費用が20億77百万円増加したことや、上記ポートフォリオ再構築による国債等債券売却損の増加によりその他業務費用が36億92百万円増加したこと等から、前期比32億79百万円増加し326億57百万円となりました。
この結果、経常利益につきましては、前期比4億84百万円増加し71億27百万円となりました。
また、当期純利益につきましては、前期比15億41百万円増加し55億81百万円となりました。

経営環境と当行の業績

業務純益・コア業務純益・経常利益・当期純利益

業務純益

銀行の業務の基本となる部分の成果を示す銀行独特の利益指標です。業務純益は預金、貸出金、有価証券などの運用・調達から生まれる「資金利益」、各種手数料などの収支を示す「役務取引等利益」、債券や外国為替などの売買損益を示す「その他業務利益」の3項目を合計した額から「経費」と「一般貸倒引当金繰入額」を控除したものです。


コア業務純益

 一般貸倒引当金繰入前、債券5勘定尻調整後の業務純益で、銀行の利益をあげる底力にかかわる部分です。

当行グループの業績

当行グループの2023年3月末の財政状態につきましては、預金残高が前期末比93億円減少し2兆7,782億円、貸出金残高が前期末比344億円増加し2兆1,804億円、有価証券残高が前期末比341億円増加し6,970億円となりました。
当行グループの連結経営成績につきまして、連結経常収益は、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加を主因として資金運用収益が増加したことや、役務取引等収益が増加したこと、また、有価証券のポートフォリオ再構築に伴う株式等売却益の増加によりその他経常収益が増加したこと等から、前期比38億14百万円増加し476億75百万円となりました。
連結経常費用は、営業経費の減少に加え、貸倒引当金繰入額の減少を主因としたその他経常費用の減少等があったものの、資金調達費用が増加したことや、上記ポートフォリオ再構築による国債等債券売却損の増加によりその他業務費用が増加したこと等から、前期比35億23百万円増加し404億9百万円となりました。
この結果、連結経常利益は前期比2億90百万円増加し72億65百万円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比14億15百万円増加し54億91百万円となりました。

不良債権の状況

債権総額中に占める金融再生法開示債権(いわゆる不良債権)の比率は、2022年3月末の2.04%が2023年3月末には2.05%となりました。
なお、当行は部分直接償却を行っておりませんが、部分直接償却を行った場合のこの比率をみますと、2023年3月末で1.87%(2022年3月末では1.86%)となっております。

不良債権の状況
2022年3月末 2023年3月末 前年比
金融再生法開示債権(A) 447 457 10
部分直接償却相当額(B)(※) 40 40 △-
差引(C)=(A)-(B) 407 416 9
債権総額(含む正常債権)(D) 21,895 22,269 374
(A)÷(D)×100 2.04% 2.05% △0.01ポイント
(C)÷((D)-(B))×100 1.86% 1.87% △0.01ポイント

自己資本比率

自己資本比率(国内基準)は、前期末比0.33ポイント減少し7.68%となりました。

自己資本比率(国内基準)・自己資本額(国内基準)