経営環境と当行の業績
金融経済環境
2024年度におけるわが国経済は、コロナ禍の影響から脱した後、賃上げや経済社会活動正常化に向けた各種政策の効果もあり、景気は緩やかな持ち直しが続きました。
当行の主要基盤である北部九州の経済につきましても、一部で物価上昇の影響がみられるものの、個人消費や雇用が回復基調にあり、緩やかに景気の持ち直しが続いております。
金融業界につきましては、日銀によるマイナス金利政策解除以降、各行が預金金利や貸出金利の引上げに動き出す等、長らく続いた低金利時代から「金利のある世界」への転換期を迎えております。
一方、今後、米国発信の貿易関税への対応をめぐる動き等から、日米欧の金融政策や為替の動向等が与える影響についてはこれまで以上に注視していくことが重要であると考えます。
2024年度の業績等
このような経済情勢の中で、グループ役職員一同総力をあげて業績の一層の進展と経営の効率化に努めて参りました。
当事業年度の業績は次のとおりです。
預金、貸出金等
2025年3月末の財政状態につきましては、総預金残高が前期末比198億円増加し2兆9,723億円、総貸出金残高は前期末比561億円増加し2兆2,574億円、有価証券残高は前期末比1,111億円減少し5,863億円となりました。
なお、自己資本比率(国内基準)は前期末比0.57ポイント増加し8.13%となりました。
不良債権(金融再生法開示債権)比率は2024年3月末の1.94%が2025年3月末には1.99%となりました。

損益状況
経常収益は、貸出金利息を中心とした資金運用収益が前期比27億59百万円増加したことや、役務取引等収益が8億89百万円増加したこと等により、前期比16億68百万円増加し468億58百万円となりました。
経常費用につきましては、株式等売却損の減少によりその他経常費用が14億28百万円減少したこと等から、前期比13億63百万円減少し367億18百万円となりました。
この結果、経常利益につきましては、前期比30億31百万円増加し101億40百万円となりました。
また、当期純利益につきましては、前期比8億61百万円増加し69億32百万円となりました。
経営環境と当行の業績

業務純益
銀行の業務の基本となる部分の成果を示す銀行独特の利益指標です。業務純益は預金、貸出金、有価証券などの運用・調達から生まれる「資金利益」、各種手数料などの収支を示す「役務取引等利益」、債券や外国為替などの売買損益を示す「その他業務利益」の3項目を合計した額から「経費」と「一般貸倒引当金繰入額」を控除したものです。
コア業務純益
一般貸倒引当金繰入前、債券5勘定尻調整後の業務純益で、銀行の利益をあげる底力にかかわる部分です。
当行グループの業績
当行グループの2025年3月末の財政状態につきましては、総預金残高が前連結会計年度末比194億円増加し2兆9,661億円、総貸出金残高が前連結会計年度末比558億円増加し2兆2,482億円、有価証券残高が前連結会計年度末比1,111億円減少し5,789億円となりました。
当行グループの連結経営成績につきまして、連結経常収益は、貸出金利息を中心とした資金運用収益が前連結会計年度比31億72百万円増加したことや、役務取引等収益が9億33百万円増加したこと等により、前連結会計年度比22億18百万円増加し552億31百万円となりました。
連結経常費用は、株式等売却損の減少によりその他経常費用が13億23百万円減少したこと等から、前連結会計年度比12億12百万円減少し442億30百万円となりました。
この結果、連結経常利益は前連結会計年度比34億30百万円増加し110億1百万円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比12億78百万円増加し74億96百万円となりました。
不良債権の状況
債権総額中に占める金融再生法開示債権(いわゆる不良債権)の比率は、2024年3月末の1.94%が2025年3月末には1.99%となりました。
なお、当行は部分直接償却を行っておりませんが、部分直接償却を行った場合のこの比率をみますと、2025年3月末で1.84%(2024年3月末では1.77%)となっております。

2024年3月末 | 2025年3月末 | 前年比 | |
金融再生法開示債権(A) | 435 | 457 | 22 |
部分直接償却相当額(B)(※) | 38 | 34 | △4 |
差引(C)=(A)-(B) | 396 | 422 | 26 |
債権総額(含む正常債権)(D) | 22,429 | 23,001 | 527 |
(A)÷(D)×100 | 1.94% | 1.99% | 0.05ポイント |
(C)÷((D)-(B))×100 | 1.77% | 1.84% | 0.07ポイント |
自己資本比率
自己資本比率(国内基準)は、前期比0.57ポイント増加し8.13%となりました。
